「これから」をつくるDIY仕様の2世帯住宅
だれでも手に入る素材で誰でもできない空間に
上七軒の家
category : リフォーム 住宅 2世帯 DIY
data : リフォーム 木造 2階建て 約90㎡
築40年の住宅のリフォーム。
生まれ育った住まいに新しい家族と戻り2世帯で住み継ぐために実家をリフォームをする。
1階を親世帯、2階を子世帯とし、メインダイニングは1階とすることでなじみある住居の空間構成を組み替えながら居場所をつくりなおして新しい日常を獲得する。
住みながら住まい手がDIYなど施しやすいような設えをもたせながら、建築的にも意図を残すことができることを目指した。
■機能的なこと
1階はDKを住設機器を含めて内装を、洗面や浴室、トイレも既存の配置を活かし設備と内装を刷新。基本的な生活は1階のDKや既存の居間を両世帯共に行う。
2階は既存の続き間と縁側をひとまとめにした空間として子世帯のリビングとして生まれ変わった。
DIYなどがしやすいように空間は極力シンプルにし、仕上げ材はシナベニヤとすることで、ある一定の品格を保持しながら一般的に取り揃えやすい材料にもなじみやすいよう配慮した。また下地もベニヤなどが適宜施しているのでDIYにも対応している。
■建築的なこと
既存の柱は上部の梁などを支えており、据え替えるのではなくそのままの位置で活かした。それにより、これまでの住居の空間構成の名残を残しつつ柱があることで距離感が測れ奥行をもった空間となった。
また、架構を見せたり高くしがちの天井をシナべニアでフラットに張って高さを抑えたことで、室の大きさとのバランスを保ち、安定的な空間に仕上がった。
天井高さいっぱいに窓。
光を反射して取り込む軒先効果
窓からは学校の緑を借景として、プライバシーを保ちながら楽しむことができる。
DIY
依頼主が住みだしてからわかること。必要なもの、理想のものを自分のペースで拵えていく。手先が器用な依頼主のエッセンスで深みのある居場所ができました。
DIY|壁面収納。ベニヤの目透かしが補強のガイドライン。
DIY|小上がりの畳スペース
DIY|小上がりの畳スペース。大工でなくともここまでできるんですね。
リフォーム前
昭和時代の民家。木や土を感じる当時のつくり。素直な建ち方で好感を持っています。現代の住まいとしては断熱の問題や経年による耐震の問題などいろいろと比較すると出てきます。目に見えないところですが、どれくらいのグレードでどう対処していくか。住まい方を聞きながら、過剰にならないように探っていきます。