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歴史に学ぶ建築行脚

建築を体感し、つぶさに観察し分析する。

考えを図面に置きかえて提案する。 アイデアに寸法を与えるのが職能。
経験の使い回しだけではたかが知れています。
建築のアイデアを得るためにしていることは建築を見に行ったり、スケッチしたり、実測したり。
それらを自分の武器にして図面に向き合っています。
そんな建築を巡る旅のレポートです。

カトリック桂教会/京都府

1965年/ジョージ・ナカシマ氏

HPシェルによる印象的な祈りの空間

家具デザイナーとして知られるジョージ・ナカシマの日本で唯一の建築。
1965年竣工で50年以上たった今なお佇むその姿はよい年の取り方をした建築の理想形に思えてなりません。ウォルナットなど木のイメージのあるナカシマですが、意外や鉄筋コンクリート造。しかも3次元のHPシェル(双曲線外殻構造)構造の屋根で大胆なフォルム。

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前川國男邸/東京都

1942年/前川國男氏

居心地のよさと佇まいのプロポーションの結実。不屈の名作

言わずと知れた名作。なぜ名作なのでしょう。
戦時中で資材も乏しい中、工夫次第でこれだけのことができるのだと勇気づけられる。和なのか洋なのかは愚問。これまでの日本のDNAを引き継ぎながら当時の今にあった居心地をデザインされた好例。

こども本の森中之島/大阪府

2020年/安藤忠雄氏

本や街、自然が寄り添う子どもの居場所が随所に

建築家・安藤忠雄氏が設計や建設、運営における費用をマネジメントして全国に展開するこどもの図書館プロジェクト。
中之島の大川という絶景のロケーションに抜け感のあるボリュームを抑えたシンプルな建物。エントランスには青いリンゴ。いまや安藤氏の象徴的オブジェ。

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天望立山荘/富山県

1964年/吉阪隆正氏

環境が生んだインテリア

雪山と共に眺めると納得のフォルム。
外観から伺う窓のバランスと内部空間との取り合いはなかなか絶品。
※現在は増改築が施されているのですが、吉阪イズムは健在。

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スプリングスひよし/京都府

1997年/團紀彦氏

土木と建築のダイナミックなセッション

ダムという場所に道の駅、バーベキュー施設、体育館、プールという複合施設。それらの建築それぞれの形も幾何学的で興味深く、それぞれ分散した建築群をダイナミックな橋によって接続し、そのシークエンスの中にダムと山と水を感じることができる。
生活になくてはならないダムが身近に感じられる「装置」としても意義のある建築だと感じました。

イサム・ノグチ庭園美術館/香川県

1999年/イサム・ノグチ氏

場が空間になる

往復はがきなどでの観覧の予約や撮影不可などひと手間ありますが、その甲斐あってかよき時間を過ごせました。
イサム・ノグチの息づかいが聞こえそうなくらい丁寧に保存運営されていて、心地よい時間を過ごせました。
平面配置される彫刻の数々は完成しているものもあれば、未完のもののある。それはふとノグチ氏がふらっとやってきてさも手掛けようとしているかのようで、時間軸が加わった感じ。平面に時間軸による3次元、場が空間になったかのような体験でした。
僕の関心は肌理の対比的な演出による奥行きの味わいといったところでしょうか。僕も建築設計の時は、なんらかの奥をつくりたいとおもっているので、とても参考になりました。
場所を空間に変える感じなので、ぜひ身を置いてみるのもよいのではないかと思います。おすすめです。

淡路夢舞台/兵庫県

2000年/設計:安藤忠雄氏

建築の役割と魅力

淡路島のANDO建築のひとつ。
「淡路花博」の際にできた建築で、温室をはじめ会議場や百段苑などの立体的な公園、ホテルなどからなる複合施設。屋外の公園でそれぞれの建築がつながっている大きな計画です。できた当初雑誌などで見たときはスケールアウトしているのかなと思っていましたが、実際行ってみると、きもちよいスケール感でいい意味での迫力とそれがあることで見える景色が心地よいです。
建築があることで自然との距離が縮まっていい感じです。

ラ コリーナ近江八幡

2015年/設計:藤森照信氏

幸せにする建築

藤森さんは大好きな建築(史)家の一人で、 小田和正と同級生で、また路上観察学会の会員で赤瀬川原平たちと活動もしていました。建築でいえば野蛮ギャルド建築として学生時代から有名でした。 当時はミニマムでモダニズム建築に影響を受けていたのでどうすればあの発想になるのか不思議でした。 けれど、いつしか民家のような力強い建築に惹かれだして、やはりこの人の建築に戻ってきました。   滋賀県近江八幡の某お菓子会社の施設です。 コンテンツとしては奇抜ながら、実際はとても風景に優しく馴染み気持ちいい建築でした。内観も細かなテクスチャから木炭チップへの色と肌理のグラデーションが面白い。 また変形馬蹄形で包まれる内観のような外観も 空と山との風景も以前からそこにあったかのよう。ランドスケープと建築のバランスは完成度が高い印象でした。 何より来場者がみんな笑顔になっていて幸せな建築だなぁと 建築の力強さを垣間見ることができて勇気付けられました。

大阪倶楽部/大阪市

1924年/設計:安井武雄氏

用強美を兼ね備えた耐震フレームのデザインは
建築を受け継ぐ意思を感じました。

耐震フレームのデザイン。 
庁舎や学校建築の耐震改修の設計に携わったことはあり、 
どうしても機能重視なものしかできないと思い込んでいましたが、 
これを見た時に衝撃を受けました。 
受け継いでいく建築のこれからは意匠性を踏まえたストラクチャーデザインが重要になってくる。 
これからはインテリア・アーキテクトの時代が到来する。 
建築設計者にしかできないことはまだまだある。 
そんな気がしました。