スプリングスひよし/京都府

1997年/團紀彦氏

土木と建築のダイナミックなセッション

ダムという場所に道の駅、バーベキュー施設、体育館、プールという複合施設。それらの建築それぞれの形も幾何学的で興味深く、それぞれ分散した建築群をダイナミックな橋によって接続し、そのシークエンスの中にダムと山と水を感じることができる。
生活になくてはならないダムが身近に感じられる「装置」としても意義のある建築だと感じました。

イサム・ノグチ庭園美術館/香川県

1999年/イサム・ノグチ氏

場が空間になる

往復はがきなどでの観覧の予約や撮影不可などひと手間ありますが、その甲斐あってかよき時間を過ごせました。
イサム・ノグチの息づかいが聞こえそうなくらい丁寧に保存運営されていて、心地よい時間を過ごせました。
平面配置される彫刻の数々は完成しているものもあれば、未完のもののある。それはふとノグチ氏がふらっとやってきてさも手掛けようとしているかのようで、時間軸が加わった感じ。平面に時間軸による3次元、場が空間になったかのような体験でした。
僕の関心は肌理の対比的な演出による奥行きの味わいといったところでしょうか。僕も建築設計の時は、なんらかの奥をつくりたいとおもっているので、とても参考になりました。
場所を空間に変える感じなので、ぜひ身を置いてみるのもよいのではないかと思います。おすすめです。

淡路夢舞台/兵庫県

2000年/設計:安藤忠雄氏

建築の役割と魅力

淡路島のANDO建築のひとつ。
「淡路花博」の際にできた建築で、温室をはじめ会議場や百段苑などの立体的な公園、ホテルなどからなる複合施設。屋外の公園でそれぞれの建築がつながっている大きな計画です。できた当初雑誌などで見たときはスケールアウトしているのかなと思っていましたが、実際行ってみると、きもちよいスケール感でいい意味での迫力とそれがあることで見える景色が心地よいです。
建築があることで自然との距離が縮まっていい感じです。

ラ コリーナ近江八幡

2015年/設計:藤森照信氏

幸せにする建築

藤森さんは大好きな建築(史)家の一人で、小田和正と同級生で、また路上観察学会の会員で赤瀬川原平たちと活動もしていました。建築でいえば野蛮ギャルド建築として学生時代から有名でした。 当時はミニマムでモダニズム建築に影響を受けていたのでどうすればあの発想になるのか不思議でした。けれど、いつしか民家のような力強い建築に惹かれだして、やはりこの人の建築に戻ってきました。  滋賀県近江八幡の某お菓子会社の施設です。コンテンツとしては奇抜ながら、実際はとても風景に優しく馴染み気持ちいい建築でした。内観も細かなテクスチャから木炭チップへの色と肌理のグラデーションが面白い。 また変形馬蹄形で包まれる内観のような外観も空と山との風景も以前からそこにあったかのよう。ランドスケープと建築のバランスは完成度が高い印象でした。 何より来場者がみんな笑顔になっていて幸せな建築だなぁと 建築の力強さを垣間見ることができて勇気付けられました。

大阪倶楽部/大阪市

1924年/設計:安井武雄氏

用強美を兼ね備えた耐震フレームのデザインは
建築を受け継ぐ意思を感じました。

耐震フレームのデザイン。 
庁舎や学校建築の耐震改修の設計に携わったことはあり、 
どうしても機能重視なものしかできないと思い込んでいましたが、 
これを見た時に衝撃を受けました。 
受け継いでいく建築のこれからは意匠性を踏まえたストラクチャーデザインが重要になってくる。 
これからはインテリア・アーキテクトの時代が到来する。 
建築設計者にしかできないことはまだまだある。 
そんな気がしました。